2007年08月25日

幕末シリーズ

これまで劇団前方公演墳は7本の幕末と呼ばれる江戸時代末期の物語を創作してきた。
そしていつしか、幕末モノにはずれはないとまで言って頂けるようになった。
多くの幕末ファンの方々からも絶賛の言葉を頂いた。

当初、幕末三部作とデビッド宮原は名付けた。
明治維新までの流れを何人かに焦点を当てて3本の作品で表現しようとした。
けれども、それは、3本では済まされなかった。
そして一度は終わった幕末シリーズも、その後、違った作品で蘇ったりした。

全てを観劇したお客様も、まだ観ていないお客様もいるだろう。
その一つ一つを紹介しようと思う。

1:IZO
今も再演希望の上位に存在する記念碑的作品。
人斬り以蔵と恐れられた岡田以蔵の物語。
暗殺の横行する土佐勤王党全盛の時代の京都を舞台にした作品だった。
国を変えるために立ち上がった志士たちの中で人を斬る事でしか己を表現出来ない男。
そしてその最大の暗殺事件までを描いた作品だった。

2:また冬が来て〜IZO2〜
IZOが大きな話題を呼び、一気にIZOから倍の動員を記録した作品。
京都では尊皇攘夷志士たちに暗雲がたれこみ始めていた。
それまで、大手を振って歩いた亨の街も度重なる政変によって、打倒されていく。
長州藩は薩摩や会津に京都を締め出され、土佐勤王党は弾圧を受ける。
多くの志士が死へと向かう中、い蔵が選択した道は・・・。
猿が辻の事件、八一八クーデターなど、京都が一変する時代を描いた作品。

3:龍馬よ、雲になりすませ
い蔵の作品群で語りつづけた夢である、神戸海軍塾の解散から始まる坂本龍馬の物語。
志士たちの大きな挫折から一歩一歩、坂本龍馬は未来へと進んでいく。
京都は既に、新撰組が攘夷志士たちを斬り続ける町となっていた。
「坂本龍馬はなぜこれほどまでに愛されたのか?」がテーマだった。
本来はこの作品で完結するはずだった幕末三部作も、壮大なテーマに変更を余儀なくされる。
そして、幕末最大の奇跡と言われた薩長同盟へと進んでいく。
亀山社中、薩長同盟、寺田屋襲撃、日本人初の新婚旅行を描いた作品。

4:とけながら降ちてきた雪
幕末シリーズはこの作品で一時完結した。
会場全体にすすり泣く声が充満した作品。
薩長同盟後、孤立していく坂本龍馬が、最後に仕上げた仕事、大政奉還へと向かっていく。
近代日本を生んだ明治維新。
奇跡的とも言われる無血の革命を描く。
そして、作品は時代を駆け抜けた坂本龍馬暗殺事件へと進んでいく。
孤立してまで平和な革命を目指した龍馬に、政敵でもあった志士たちがつぶやく。
「坂本龍馬は同志ではなかったが・・・」

5:ネメシスの降りた町
劇団前方公演墳が青山円形劇場に進出した作品。
満を持して、久々の岡田い蔵の登場となった。
この作品は、3大人斬りと言われた、い蔵、田中新兵衛、河上彦斉、そしてオリヂナルキャラ、桐崎半蔵を描く。
4人の人斬りが人を斬ることにそれぞれの思いを交錯していく作品だった。
圧倒的な人斬りたちの剣技、劇団初となる大人数での刀剣による立ち回りもこの作品から。
人斬りにあこがれた桐崎は人斬り達に最後に叫ぶ。
「ふざけるな!!」

6:壬生で見た月〜新選組誠剣伝〜
幕末シリーズを描く間、いずれ全員が主役にもなれる新選組を描きたいとデビッド宮原は言い続けた。
それがついに実現したの_この作品だった。
劇団初の15ステージを越える公演は千秋楽が近付くにつれて、当日券の売れ行きが伸びていった。
時代はまだ壬生浪士組と名乗り、不遇であった頃からになる。
京都の人に嫌われながらも、浪士達は厳しすぎる戒律の元、京都の治安を守りつづける。
スパイや芹沢鴨局長の暗殺、そして、京都の町に火をつけるという情報をついに手にする。
圧倒的少人数であるに関わらず真っ暗闇の池田屋に突入する新選組。
階段落ちをはじめとして信じられないような狭い空間での大人数の立ち回りを観るだけ
で多くのお客様が涙を流した。
池田屋を出た新選組が京都の町に見たものは・・・?

7:星は見ていた〜新選組誠剣伝〜
池田屋事件で名を馳せた新選組の崩壊を描いていく。
政治的な行き詰まりから、多くの人材を獲得していくも、やがて内部抗争へと発展していく。
やがて京都の町も維新回天への道によって、変わっていく。
昨日までの友と斬りあう事になった油小路事件を中心に描いた作品。
隊士たちは死を覚悟して立ち上がる。
もう引く事が出来なくなった。多くの血が流れすぎた。
女たちは大使達の背中を見送る。

以上の、7作品になる。
それと番外編といってもいいえKれど、
「恋が散る、雪が舞う」という作品もあった。
これは記憶に新しいところだけれど、二二六事件における青年将校達の恋のはな詩だった。
彼ら、青年将校も、維新をかかげ、尊皇攘夷を叫んだ、時代を違えた志士たちであった。

どの作品にも思い入れがたくさん詰まっている。
思い出すだけで涙が出てしまう作品もある。
皆様は覚えているだろうか?

い蔵の太刀を。
龍馬の叫びを。
新撰組の背中を。
posted by 前方公演墳 at 23:59| 東京 ??| Comment(0) | TrackBack(0) | 幕末作品